・・・前回からのつづきです・・・・
市場と格差
市場は、貢献に応じて分配するシステムであり、消費者が自分の欲求に対する貢献を自由に評価して対価を払うシステムですが、
嫌なら買わなくても良いので、必然的に格差と貧困問題が生じます。
これが格差発生の原因として一番深刻だと思います。
私たちの自由な消費を求める思いと、格差貧困の廃止がトレードオフの関係になり、自分たちで自分たちの首を絞める面があります。
いわば、真の的は自分の中にいたのです。
現代資本主義は、資本集中による大量生産・大量消費社会ですので、放置すれば格差は必然的に拡大します。
特に消費の場面の格差は、一方でビルゲイツを生み、他方で餓死者を生みます。
格差対策の方向性
ではどうすべきでしょうか。
消費者の場面での格差をなくすために消費者の選択の自由を否定することも考えられます。
しかし、これだと不自由な抑圧社会になりますので得策ではありません。
また、選択は自由にできるが、商品提供に対する対価を同じにすることも考えられますが、
これだと人気のある商品の生産が停滞しますので、結局自由な消費ができなくなり、これまた得策ではありません。
また、消費の場面での格差を認めるなら、人々が求める財の生産を増加するために労働の場面での格差も否定できないことになります。
このような考え方は、結局人間は、基本的には自分の利益や好みにしたがって消費すること、
他人の利益や好みのためではなく自分の利益や好みのために働くということを前提にしています。
この前提を否定し、人間は他人のために消費し、働けるという考え方もありますが、
このような考え方を形式的に前提とすると消費や労働の押しつけになる危険があります。
やはり、人間は、自分の利益や好みを自分が決めて消費し、自分の利益のために労働し、自分の利益のために他人に貢献するというという考え方が、品はないですが、人間の自由を保障するものだと思います。
自分の中の敵を基本的には容認するすることになります。
そうすると、消費の自由を認め、貢献力のある人や会社に金が集まることも認めることになります。
・・・次回につづきます。