6月7日、「福島原発訴訟のいま」をテーマに事務所学習会を開催しました。たくさんの方にご参加いただきました。ありがとうございました。
学習会では「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟弁護団と埼玉原発訴訟弁護団より、裁判の現状とそれぞれ原告の方からお話していただきました。
原発事故被害の訴訟は全国で20余ありますが、生業弁護団はそのなかでも原告約4000名の最大規模の弁護団です。現在福島地方裁判所に係属中で、今年3月には浜通りの帰宅困難地域において、裁判官が防護服を着て現地に入り、検証が行われました。その様子がスライドで上映され、イノシシに荒らされめちゃくちゃになった家の中、家畜がみんな死んでしまった牛舎、道路一本隔てて除染が進んだところと荒れたところという矛盾の風景、現場を見ずに判決を書くべきではない、という原告団の決意が伝わってきました。
埼玉原発訴訟原告の方は、事故後、子どもを守りたいという思いで母と子だけで避難し、そのまま現在も埼玉県内に暮らしておられます。避難した人、避難せず福島にとどまった人、賠償金の支給問題、放射能の恐怖とその感じ方、様々な問題により福島県民同士がいがみ合うような状況を生々しくお話されました。目の前の人を傷つけあってしまう人間の悲しさ、元は事故を起こした東電と原発推進政策をすすめてきた国の責任なのに。
それぞれの原告の方からは、お金の問題ではない、ふるさとや仕事や家族の関係がまったく変わってしまったということがどれだけ過酷なことか、こんなことが二度と起こらないようにしなければならない、責任をとらせなければならない、そんな思いがひしひしと伝わってきました。そして、この訴訟を勝利するためには、多くの方の関心、世論の後押しが本当に重要なのだと訴えられていました。
当事務所としても、これからも支援をしていきたいと思います。
事務局 O